良書
前から気になっていた「BSD Hacks」を今年最後の本として数日前
入手した。ずいぶん前に本屋で立ち読みして以来、我輩の知らない
奥義があちこちに書かれているように思えて、気になっていたのだ。
生意気なことを言わせてもらえば、予想どおり、知っていることが
たくさん書かれている本だ。だが、それだけではなく、期待どおり
「えっ」「あっ」「なるほどっ」という発想も十分に盛られていた。
例えば sockstat。我輩は BSD 以外のサーバも面倒見るので万事を
これで代替することはできないが、少なくとも sockstat を備えて
いるシステムでは十分に netstat | grep するかわりになるだろう。
他にも python の数十行のコードが目的を達成するスクリプトの例
として紹介されていたり、使い倒したと慢心してた tcsh に面白い
機能があることが紹介されていたりする。わくわくしながら読んだ。
まだ 1 回通して読んだだけだが、終盤校正の甘さが気になる以外は
全体的にバランスの取れた良い本だと思える。Hack の出発点となる
根源は「問題発見力」と「解決発想力」なんだなと考えさせられた。
本書は「テク」以外に「どういう順序で説明するか」という点でも
勉強になる。toolkit approach の考え方を伏流にして、解答を直に
丸出しにせず、ヒントと適切なポインタを示すやり方も気に入った。
そもそも tips 集のような本なので、リファレンスとして常時机上に
備えておくようなものではないが、ひとしきり遊んで忘れたころに
また読み返してみると面白いだろうなと思う。良書に会えて嬉しい。
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