廃止
自分が会社に入って最初に繋がったネットワーク。大先輩と一緒に
DNS やらルータやら、サブドメインの管理に必要なサーバを組んで
提供していた、自分がネットワークを学ぶ契機となった小さな世界。
今日、そのサブドメインに引導を渡して来た。自分が居なくなって、
組織もなくなって、管理をする者も居なくなって、そうして廃れた
小さなネットワークでは、十年前に組んだサーバがまだ動いていた。
今月末でマシン室を出て行け、と言われているから、しょうがない。
利用する者の居なくなったサブネットを廃止するのは、当然だろう。
自律的に自己最適化するのは正にネットワークの真骨頂じゃないか。
自分でももちろん納得している。それなのに、機器達の電源を切る
その瞬間を、延ばそう延ばそうとしていた。切りたくなかったんだ。
休日に、一人で作業しに来てよかった。誰にも見られたくなかった。
ケーブルを丸めながら、自分が丸められている気がした。どうして
そんな気持ちになったのか、自分でもわからない。埃で汚れた指は、
指紋センサに読取拒否された。濡れたハンカチで拭いて、退室した。
12 Comments:
昔からやってたシステムがサービス終了~とか悲しいよね。
でも若いよね。sempreffたんは。
こういう感性が若いとか思う。
最近、こういう事があると「婆さんは用済み」とか一人でつぶやいてるよりいいよ。もう悲しいとか通り越したw
自分の力を尽くして作ったネットワーク。
ましてや、最初の仕事ということであれば尚更辛かったことでしょう。
あと数カ月すると、自分の勤務先(母校)の校庭に新しい建物を建てるための工事が始まります。
その際に、校庭横に植わっているヒマラヤ杉を伐採することになっています。
もちろん、自分がその木々を切り倒す訳ではありませんが、逆に何もできないまま見ていなければいけません。
その時、私もおそらく同じような気持ちになるのでしょうね。
わかるね。オイラも結構思い入れ込めるタイプだからね。システムでもネットワークでも作者の意志がないと駄目でしょ?
だから、無くなるときは寂しいもんだよ。そういうのじゃないといい物できないと今でも思ってるし。
職人というと取られ方とかいろいろだけどね。職人意識とこだわりってのも大事だよね。
切ない物語のようですね。
「大先輩」というのは、ま、まさか。。。
髭。。。w
(;つД`) 泣けますな・・・・
最近自分の仕事に誇りが持てない人が多い中で
これほど愛着をもって送られたネットワークももはや
思い残す事は無いでしょう・・・
後は静かに次世代へと転生して行くのを祈るのみです。
それって、ビール工場のことですよね?
せつないですね・・・。
自分もそこで色々勉強させてもらって・・・、
そのおかげで今があります。
でも、sempreffさんに看取られて、
その一生を終えたなら、
ビール工場くんも本望だったと思います。
後片付け、ありがとうございます!
>たの字 殿
たの字殿も、日記の内容からすると、異様に若いんですが…(苦笑
>Hi-rider 殿
木を切るのってなんだか残酷に思えますな。
特に、自生しているわけじゃなくて、人の手によってそこに植えられた木は、切っちゃいかんとすら思いますがな。
生家の玄関脇に立っていた柿の木が切られた時のことを思い出してしまった。ううう。
>tara 殿
名前で呼ぶと情が移るから記号で呼ぶのだ、という収容所のルールは、本当なんだな、と思いました。
anheuser とか dreher とか bruynen とか jade とか…
>たぁ
鬚男爵、当時はぜんぜん鬚なんかなかったぜよ (笑
>ノブ氏
ネットワークとか基盤とかって、愛着湧いちゃうと別れが辛いですね…
>やぶ
そうそう、ビール系のあれ。
あのサブドメインは恐ろしいんだぞ。
歴代の管理者が次々と辞めるという…
# 結局、師匠と我輩しか残ってない orz
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