Sunday, February 24, 2008

印度

K 田台からの帰りの電車で、どこかから乗って来た妙に色黒の人が
急に話しかけてきた。ノート PC に向かってタカタカと手を動かし
ヘッドホンをかけて音楽を聴いている我輩に、一体何の用だろう?

話の内容は全く聞こえなかったので、ヘッドホンを外し、彼の方を
向いて「はい、なんでしょう?」と聞いてみた。が、驚いたことに
彼が何を言っているのか理解できない。言語野が壊れたかと思った。

すると彼は申し訳なさそうに、英語で喋ってくれた。我輩の脳髄は
まだ爛れてないことがそれでわかった。問は「正面の女性の行動は
日本語で何と言うのか」であった。そんな重大な問題なのか、それ。

対面に座っている女性は、緑色の毛糸で編み物をしていた。帽子か?
「あ・み・も・の、ですよ」と正直に教えてみたが、我輩は滑舌が
悪く、彼は発音が悪い。電車の中だし大声も出せない。難しい状況。

「あっむのも?」「あみもの」「あみもの?」「そう、あみもの」
何度か辛抱強く繰り返し、ついに彼は正しく発音できた。祝着至極。
では。とヘッドホンに手を伸ばしたところに、また話しかけられた。

あらら、身の上話が始まってしまいました…。彼はインドの出身で、
三ヶ月前に日本に来た、と。すごく寒い、と。日本語は難しい、と。
ATM の面倒を見ている技術者だ、と。その辺から面白くなってきた。

こちとら英語は四年間かけて再履再履で御目こぼし卒業ってわけで
からきし自信がない。が、彼の英語も十分たどたどしくていい加減。
そんなでも会話って成り立つもので、なかなか貴重な体験であった。

Wednesday, February 20, 2008

鼾睡

先日の伊集院光のラジオのあるコーナーで、鼾がお題になっていた。
蜿蜒と鼾の音が流れる中、鼾の様々な解釈についてリスナの投稿が
読まれるのだが、聞くに耐えなかった。録音だから、勿論飛ばした。

今日山手線最終に乗ったら、隣のおじさんが高鼾である。うるさい。
辛抱できずに、席を立って遠く離れたところまで避難してしまった。
お喋りをしている若者も居るが比較的静かな所で、漸く安堵できた。

最寄駅まで行かないのでえびフィレオでも喰うか、とマックに寄り
階上でもさもさ咀嚼していると、正面からまたノーズノイズである。
何なんだこの巡り合わせは。早々にエビちゃんを平らげて脱出した。

鼾が全部とにかく嫌い、なのではない。ある種の鼾だけは生理的に
耐え難い、という話である。ところがここ数日で遭遇する鼾たちは
漏れなくその種の不愉快極まる気分になる秘孔を正確に突いてくる。

ここまで巡り合わせが悪ければ、むしろ諦観の域に達するというか
慣れそうなものだが、理由もなく本能的に苛々するから、質が悪い。
24 時間営業だからって、マックで寝るな。本当にもう。ぷんぷん。

Saturday, February 16, 2008

飛来

出社前に何気なく窓から外を見ていたら、雀程度の大きさの緑色の
小鳥が飛来していた。梅の季節だ。子供の頃、庭には良い枝振りの
梅の木があった。そこに留まって小さく啼いていた歌声が懐かしい。

Sunday, February 03, 2008

山田

I 袋の山田に、はじめて入った。広い。閑散としている。すぐ隣の
ビックカメラに比べると、客の入りは圧倒的に弱い。おなじ程度の
値段なのだから、もうちょっと入っていてもよさそうと思うのだが。

かく申す自分自身、本日はリサーチのみだったので、何も購入せず。
売場が広くて人が少ないから、ゆったりと品定めすることができた。
一点嬉しかったのはトイレが広くて清潔だったこと。新しいからか。

雪掻

都心でこれだけ雪が降るのは久しぶりなように感じる。我が家でも
玄関から先の地面が外までずっと白いというのは、見慣れぬ光景だ。
都会らしく、ずいぶん水っぽい雪なので、踏むと滑る。かなり恐い。

滑ったり落ちたりするのがタブーな年頃の家族が居るので、久々に
雪掻きをした。慣れない体勢で滅多に使わない筋肉を使ったからか、
腰と腕に疲労感が。雪掻きしただけで筋肉痛とは、恥じ入るばかり。

Friday, February 01, 2008

餅入

「おじさん、トミー・リー・ジョーンズに似てるって言われない?」
「えぇ?何だって?トミー?誰だそりゃぁ。聞いたことないなぁ。」
「ハリウッドの有名な俳優だよ。すごいそっくりなんだけどなぁ。」

「あ、お客さん、今日はネギが。もうこれっぽっちしかねェんだ。」
(と言って、親爺はビニール袋に入った残り少ない刻みネギを振る)
「いいよ、気持ち程度撒いてあれば、全然OッKだよ。ごめんね。」

「俳優は知らねぇが俺は三途の川の向こう見て、帰って来たんだ。」
「おっ、カムバックしたんだ。すごいね。寒いけど頑張ってよね。」
「おうよ。まだまだ逝くわけには行かねェ。あと十年は頑張るぜ。」

そんな親爺の売っていたタコ焼は、全部餅が入っていた。超美味。
しかもネギが少なかったからか、オマケで一粒余計に入っていた。
親爺はマジで缶コーヒーの CM なんじゃないかってほど、似てた。

トッピングに刻みネギを撒いた餅入りのタコ焼ってのは、初体験。
寒い中、竹串で球体を操り、ソースとネギをうまい具合に絡めつつ
攻撃的な温度のタコ焼を喰いながら、歩いて帰った。楽しかった。